自然と都市がシームレスにつながる
持続可能な働き方、アウトドア・ワーケーション
YAMA WORKは、長野県・蓼科にある四季の森ホテルが展開する「アウトドア・ワーケーション」サービスです。年々減少し、高齢化しつつある高原リゾートの利用客を若いターゲットにシフトすること、繁忙期以外の新たな利用可能性を創出すること、そして都市圏での働き方を持続可能なものにすることをゴールとして、働くこと(work)と休暇(vacation)を融合させた「ワーケーション(work-cation)」を提案しています。都会の生活で得られる刺激と、深く濃い森から受けるインスピレーション。そのときの気分にあわせて双方を行き来しながら、自分自身の感性にとって最適なワークスタイルをデザインすることができます。
ACTANTは、自社の多様な働き方を実験する取り組みとして参画し、ホテルと継続的に連携しながら、コンセプト策定や空間設計、オペレーションや食事メニュー開発といった運営プランまで、総合的にサポートしています。
Approach
プロトタイピングしながら、サービスを育てる
「ワーケーション」という新たなリモートワークの形をコンセプトの中心に据え、そのコンセプトに共感する関係者と協働しながらサービス体験の環境整備を進めました。2017年の立ち上げから1年間をトライアル期間と設定し、通常のホテル運営と並行しながら試験的にサービス提供をおこないました。この間の試行錯誤や利用者とのコミュニケーションを通じて刷新したプランをもって、正式にローンチ。デザインファームの立場を離れてプロジェクトに踏み込むことで、自分ごととして場を育てながら、多様な働き方の可能性を探りました。
Result
自然のなかでワーケーションの効果を引きだす
いつもと違う集中の質、発想の豊かさを引きだすために、木々に囲まれた敷地内の中庭で快適に仕事ができるアウトドアワークスペースを整備しました。都心での生活とは異なる身体性を得るために、あえて土地の起伏に合わせた高低差のあるスペースを設計。自分が働きやすい場所を探したりと、体の使いかたを普段と変化させることで、思考やアイデアも変化するしくみとして機能します。
Approach
まだ普及していなかった「ワーケーション」への理解を促す
既存ホテルのサービスと差異化し、当時あまり知られていなかった「ワーケーション」というコンセプトの理解を促すために、新たなビジュアルアイデンティティを設計しました。専用webサイトや施設サイン、PRツールへと展開しました。
Approach
箱だけでなくソフトのデザインがワーケーションの本質
建築設計や空間、ビジュアルのマネジメントだけなく、顧客が訪れた際のワーク体験をしっかりとデザインすることがワーケーション成功の秘訣となります。例えば、チェックイン時に手渡すスケジュールシートは、仕事とオフの時間を自分自身で可視化し、一緒に来た家族や同僚と共有することを可能にします。また、各種デザインに関するワークショッププログラムを用意し、ワーケーションをより有意義に過ごすためのサポート体制も充実させました。
Point
- 都市での働き方をサステナブルにする「ワーケーション」をいち早く提案
- 保養地・蓼科の今後のあり方をリフレーミングし、新たな滞在機会を創出
- ブランドや体験だけでなく、バックヤードのオペレーションや料金体系までサービス全般をデザイン