ナラティブストラテジーで紡ぎあげる
サステナブルな自然旅行体験

アドベンチャーツーリズムデザイン支援
JTB総合研究所

サステナビリティへの意識が高まる中、旅行のかたちも変わりつつあります。欧米を中心に広がりはじめた「アドベンチャーツーリズム(Adventure Tourism)」は、より自然豊かな地で、コンセプトやストーリー性の充実したサステナブルな体験を求める新たな旅行スタイルです。近年日本でも注目を集め、インバウンド需要が復活しつつあるアフターコロナの潮流においても、こうした自然や文化を体感するアクティビティ重視のツアーに期待が寄せられています。

JTBグループは、先駆けてアドベンチャーツーリズムに新しい旅行の可能性を見出し、日本国内でのツアー提供推進に取り組んできました。本プロジェクトでは、その主要な担い手であるローカル人材を育成するために、現地のガイドや事業者自身が「サステナブルなアドベンチャーツーリズム体験」を設計・提供するためのデザインプログラムを実施しました。

ACTANTは、パートナー企業PUPLICAとの協働で、フィールドリサーチからツアーの設計、実装に向けた評価・ブランディングまでを包括するワークショッププログラムを開発。それぞれの地域特性に応じたかたちでプログラムを編成しながら、アドベンチャーツーリズムの基軸となる「物語」の提供を可能にするデザイン支援に取り組みました。

Category
CultureEnvironmentLifestyle
Site/Year
Okinawa, Kagoshima / 2021-
Services
サステナブルツーリズム/ ナラティブストラテジー / エクスペリエンスジャーニーマップ /
Team
髙橋慶成(イラスト)

Approach

「物語」を活かした
サステナブルな旅行体験

アドベンチャーツーリズムでは、ひとつの観光コンテンツではなく、旅行全体の体験にサステナブルな一貫性のあるストーリーが求められます。また、旅行者が新たな学びを得て、自身の視野を広げられるような「自己変革」が重要な要素とされています。こうした変革を促すためには、従来のように観光名所を辿って別々のガイドを受ける「点」の集積としてではなく、旅行者が一連の体験を通じて能動的に変革へと至る「線」として、さまざまなアクティビティを構成する必要があります。

そこで本プロジェクトでは、ツアーデザインにナラティブストラテジーを導入。登場人物や時間、場所といった設定や展開、その語り口なども含めた物語の在り方=「ナラティブ」を適切にデザインすることで、旅行者が主人公となり、それぞれの変革に開かれた一貫性をもった旅行体験を紡ぎあげることができます。

Method

フィールドリサーチから実装までを貫く
ナラティブストラテジー

現地の旅行会社やガイドの方々が、「ナラティブ」のレンズを通して地域の魅力を再定義するために、まずフィールドリサーチを実施しました。ツアー対象地を実際に訪れ、独自性やサステナビリティ、自己変革といった観点から気づきを抽出。新たな視点から魅力を引き出すヒントカードなどを使いながら、インサイトを整理しました。

続く共創ワークショップでは、ターゲットユーザーや地域の強みを踏まえてツアーコンセプトを設定。物語に沿って、各アクティビティの意味や展開を検討しながら、コンセプトの一貫したプランをつくりあげました。また設計後は、実際の行程に沿ってガイドの方々とともに現地レビューを行い、課題や改善点を抽出。リアリティをもってツアー実装を進めるために、プランを磨きあげていきました。地域のガイド事業者が、その土地の魅力に根ざしたツアーを自律的につくりだすための支援プログラムとなっています。

Result

観光の担い手自身がデザイナーに
地域に根ざしたツアーをつくる持続的なしくみ

本プログラムの実施によって、観光事業者の方々が、今後も自ら地域の魅力を見出し、ツアーを形づくっていくしくみが立ち上がることとなりました。ツアーデザインの手法習得だけでなく、実施時に旅行者へ伝えるべき注意点や案内、行程のフィージビリティなど、実装に向けた実務面もサポート。さらに、ツアー品質担保のためのKPIや、ガイドの定量的な評価手法なども整備し、変化する社会情勢に応じたアップデートを可能とする体制づくりも支援しました。

Point

  • 物語の要素を活用したナラティブストラテジー
  • 事業者やツアーガイド、多様なステークホルダーを巻き込んだ共創デザイン
  • サイトスペシフィックな魅力を引き出すデザインツール
  • リサーチから実装、ブランディングまで一貫したサポート

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