抽象と具象が入り交じる多層性
複雑な空間の魅力をビジュアライズする
「レイヤーズ・オブ・ネイチャー その線を超えて」展
セゾン現代美術館
20世紀を代表するアメリカの抽象画家サム・フランシス、その息子であるフランシス真悟、そして日本の美術館では初の発表となるクリスチャン・アヴァに焦点を当てたエキシビションが、セゾン現代美術館にて開催されました。絵画であると同時に多層的な空間をつくりだす作品群は、抽象と具象、絵画の内と外、鑑賞者と対象物の境界を超えて、ひとつの自然ともいえる複雑な環境を織りあげます。
ACTANTは、この展示の魅力やコンセプトを、展示空間から遠く離れた場所まで明確に伝えるためのビジュアルアイデンティティと、各種コミュニケーションツールのデザインを担当しました。
- Category
- Culture
- Site/Year
- Karuizawa, Nagano / 2018
- Services
- ブランディング / ビジュアルシンキング / エディトリアル / アートディレクション
Approach
表現の多層性を端的に伝えるアイデンティティ
感性に語りかけ、読み手の解釈に価値をゆだねるアートとは異なり、ビジュアルコミュニケーションデザインは、感性に語りかけると同時に、明快に情報を伝えるというミッションも持っています。このプロジェクトでは、キュレーターと何度も議論を重ね、プロトタイプを制作しながら、シンプルなストライプを主要なビジュアルモチーフとすることに決定しました。それらストライプをレイヤーとして重ねることで、あらゆる境界を超えていこうとする作品群の特徴やテーマを、シンプルに表現することが可能となりました。
Point
一貫性を持った体験を支える
デザインシステムとしてのビジュアライゼーション
一連のワークでは、ストライプの重なりを中心として、色の定義や透明度、書体や文字の位置を厳密に管理しています。ポスターや会場のサインシステム、チケット、各種デジタルメディアといった多様なタッチポイントにおいて、鑑賞者に一貫した体験や認識をもたらすためのデザインシステムとして機能します。