いつもともしもを、もっとフリーに
多発する災害に対する日常のレジリエンスを高める
地震や気候変動による豪雨など、思いも寄らない大きな自然災害が増加する今日。災害直後に高まる防災意識は、しばしば日常生活の中で次第に薄れていってしまいます。「フェーズフリー」とは、身のまわりにあるモノやサービスを、日常時はもちろん、非常時にも役立つものにしていこう、という提案です。普段使っているモノやサービスがいざというときにも自分や大切な人を守ってくれる。そうすれば再びいつもの日常へと戻る力も高まっていく。いわばバリアフリーの災害版のようなまったく新しいコンセプトです。
「フェーズフリー」という考え方が社会に浸透し、製品、サービス、そして人々の防災意識の中に取り込まれるようになれば、社会全体のレジリエンスが高まっていく。ACTANTは、そのような未来をつくるプロジェクトの一端を、デザインという観点からサポートしています。
- Category
- EnvironmentLifestyleWorkstyle
- Site/Year
- Tokyo / 2017, 2019
- Services
- ストーリーテリング / ブランディング / エディトリアル / インフォグラフィック
株式会社ライター(ライティング、編集)
Story Telling
新しい社会的事業への共感を育む
ストーリーテリングを活かしたコンセプトブック
まだ認知の低い革新的な考え方やサービスを人びとの暮らしに浸透させるためには、そのコンセプトやビジョンを自分ごととして共感してもらい、ストレスなく理解してもらうことが大切です。
「フェーズフリー」という新しい概念に接するはじめてのタッチポイントとして、まずコンセプトブックをデザインしました。防災分野の研究者やコピーライターと協業しながら、「家族の生活に溶け込んだフェーズフリー」のストーリーを創出し、それらをいかに可視化し共感を生みだすかを検討していきました。
Illustration
多種多様なメディア展開に対応する
システムとしてのイラストレーション
今後、さらに多様な媒体や分野へ展開されていくであろう「フェーズフリー」。どのような媒体においても、その有用性を視覚的に伝えられるよう、展開可能性の高いシステムを持ったイラストを制作しました。
ピクトグラムのように、イラストの各パーツをユニット化することで、バラエティに富んだビジュアル展開が可能となりました。
Data Visualization
複雑な情報への理解を促す
インフォグラフィックでデータを可視化
「フェーズフリー」という概念は、さまざまな研究成果がベースとなって、その確からしさや信頼性を高めています。例えば、データに基づいた災害状況、災害の種類やレベルといったガイドラインや基準をわかりやすくビジュアライズすることで、より直感的に伝わるデザインを目指しました。
Case study book
具体的なイメージを伝える事例集
より具体的な事例を伝え、理解を深めるために、コンセプトブックに続いて事例集を制作しました。フェーズフリーを評価する基準を明快なダイアグラムに変換し、さまざまな事例を分析したブックとなっています。
Point
- 社会的事業への共感を生みだすストーリーテリング
- 信頼性を高めるビジュアルアイデンティティ
- 複雑なデータへの理解を促すビジュアライズ