行動デザイン × サービスデザイン
共創ワークショップの創造性を高める
不確実性が高まり、複雑化する社会の中で、企業は知的創造性を重視し、デザイン思考の導入も広がりを見せています。その一環としてアイデア発想ワークショップが頻繁に開催されていますが、その多くは、参加者の創造力を引き出す知的共創ジャーニーとしての適切なデザインがなされていません。
本研究プロジェクトでは、創造性に関する行動科学の研究を応用してアイデア発想ワークショップを設計。参加者の呼びかけからワークショップへの導入、ワークの手続きや利用ツール、終了後の振り返りに至るまで、行動デザインとサービスデザインを組み合わせることによって、理想のアイデア発想ジャーニーを創出しました。
ACTANTは、大学生を対象とする本ワークショップの効果検証のため、参加者の行動に介入するタッチポイントのビジュアルを担当。ワークショップのポスターと、アイデア発想プロセスを誘導する思考の抽象レベルの変化を示したジャーニーマップを作成しました。
- Category
- Workstyle
- Site/Year
- Tokyo / 2019
- Services
- オリジナルメソッド開発 / 組織研修 / ビジュアルシンキング / 共創ワークショップ
Approach
アイデアから
新しいアイデアを生み出す行動をナッジする
アイデア発想ワークショップでは、共創で生み出されるアイデアを期待され、「他者のアイデアに乗っかりましょう」と呼び掛けられることが多いですが、参加者は実際に行動できているでしょうか?
本プロジェクトでは、「他者のアイデアに乗っかってアイデアを発想すること」に対して参加者が抱える行動課題を分析。参加者は、自分のオリジナルアイデアを出すことに固執してしまい、他者のアイデアを活かしてアイデアを発想しようとする動機が弱いことがわかりました。また、他者のアイデアを活かすためには、他者のアイデアの体験価値を具体化し、それを展開可能にするために抽象化、さらにテーマに合わせて具体化するという思考が重要ですが、この具体と抽象の思考レベルの切り替えが難しいことも明らかになりました。これらの課題を踏まえ、アイデア発想ワークショップにおいて共創を促進する理想のジャーニー設計をおこないました。
Result
理想の共創ワークショップを
視覚的にサポートするタッチポイント制作
設計した理想のジャーニーの実行を支援するために、行動デザインの手法を応用し、ワークショッププロセスをはじめ、ポスター、ジャーニーマップなど一連のタッチポイントをデザインしました。
ビジュアル面では、誰かのアイデア(電球)が様々なカタチに変化するイラストをポスターに使用。他者のアイデアを「さらに面白いアイデアを出すための大事なリソース」であるとポジティブに捉えられるようなツールを制作しました。
ジャーニーマップでは、横軸を各ステップ、縦軸を思考レベル(下に具体の思考、上に抽象の思考)とし、ワークにおける思考の抽象レベルの変化を視覚化。本マップの導入により、各ステップのゴール達成のためにどの思考レベルで考えるべきかが、一目で分かるようになりました。
Point
- 創造性に関する行動科学の研究を応用したアイデア発想ワークショップの設計
- アイデア発想における思考の抽象レベルの変化を視覚的に支援する
- リフレーミングしたワークショップの意義をビジュアルとメッセージで表現する