「泊まる」から「つどう、こもる、くらす」へ
ホテルの意味に変化を生みだすブランド戦略
「COCOSHUKU(ココシュク)」は、北辰不動産が都内に展開するホテルブランドです。元々オフィスビルだった建物をコンバージョンし、無人チェックインシステムを採用。開業以来、インバウンドを主なターゲットに高稼働率を維持していましたが、さらに2つの新拠点を準備しているさなかにコロナ禍に直面。これを受けて「ホテル」のこれからの意味を問い直し、ブランド方針の転換を図りました。
新たに設定したコンセプトは「自由で気ままなプライベートホテル」。手頃な価格で利用できる質の高い客室を強みに、特に、コロナ禍によって集える場所が制限されてしまった若者たちのニーズを取り込み、ただ泊まるだけではなく、さまざまな過ごし方ができる新たな宿泊スタイルを提案します。
ACTANTは、建築家やホテルプロデューサーとチームを組み、ブランド戦略の構築をサポートするとともに、WEBサイトのリニューアルを担当。ウェブデザイナーやイラストレーターと協働しながら、サイト全体のアートディレクションを手掛けました。
- Category
- Lifestyle
- Site/Year
- Tokyo / 2020
- Services
- ブランディング / ビジュアルアイデンティティ / ウェブデザイン
株式会社マバタキ(WEBデザイン)
am.(イラスト)
カモイケデザインラボ一級建築士事務所
Approach
ホテルの意味をリフレーミングする
変化と多様性に対してしなやかに対応するブランド構築
COCOSHUKUの特徴のひとつが、フロントサービスや共用設備を持たないこと。他の業態と比べてよりプライベート感があり、より多様な使い方ができる点を活かしたポジショニング戦略をホテルプロデューサーと一緒に検討し、泊まれるリビングルーム=プライベートホテルという新たな領域を設定しました。
その領域を体現するブランドの軸として、「カジュアルニュートラル」というキーワードを設定。新型コロナのような社会状況の変化や滞在スタイルの多様性を受け入れやすい、柔軟なイメージを構築しました。WEBサイトでは、価格帯やアクティブさの面を考慮して、若者に親しんでもらえるような、生き生きとしたイラストを起用。ベーシックな色あいを基調としながらも、ブランドにふさわしいカジュアルさを訴求しています。
また、COCOSHUKUでは、コンセプトに合わせた新しいサービスとして、従来の宿泊プラン提供とは別に、利用者が空間の使い方を自由にカスタマイズできるオプションアイテムの提供を始めました。家庭用プラネタリウムやケーキスタンドといった楽しさを演出するアイテムを組み合わせることで、自分たちだけの宿泊スタイルを実現。WEBサイトでもその体験イメージが伝わるよう効果的にイラストを配置しています。
Point
- 「泊まる」の意味をリフレーミングするブランド戦略
- 「泊まる」体験を自分たちでDIYできるサービス設計
- 「泊まる」の多様性をアクティブに伝えるビジュアル表現