インターンが感じたサービスデザイナーに求められる要件

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インターンが感じたサービスデザイナーに求められる要件


ACTANTでインターンをしている岩渕です。
前回の記事:インターンが感じたACTANTの特徴に引き続き、本記事では、インターンが感じた「サービスデザイナーに求められる要件」について書きます。

1. コンサルティングとファシリテーション

まず初めに、コンサルティングスキルを挙げます。サービスデザイナーは「デザイナー」といっても、現場ではコンサルティング・ファシリテーション力が求められる場面が多いと感じます。
サービスデザインの概念自体が新しいもので、サービスデザイナーのいる企業も日本には現状ほとんどないため、サービスデザイナー自らがサービスデザインの方法論・プロセスを正しく理解し、クライアントや自社のサービスの立案を主体的に導いていく必要があります。また、サービス全体のエコシステムを検討していくと、関係する部署を巻き込んでいったり、当初見えていなかったインタビュー先などが増えてくるため、それらの箇所に対して適切なコミュニケーション、ファシリテーションが求められます。

2. ズームインとズームアウト

前回の記事でも触れましたが、サービスデザインの現場においては、一般的な方法論とその事例特有の事項、仮説と事実、サービス全体のビジネスモデルと個々のタッチポイントなど、2つの異なる視点を行き来しながらサービスの価値を論理的・客観的に導いていく必要があります。
Andy Polaine他による著書「サービスデザイン」においても、このスキルを「ズームインとズームアウト」という表現で記載しており、組織の壁を越えたデザインをするのに有効であると語っています。サービスデザインのツールとして用いられるサービスブループリントも、全体のサービスプロセスを俯瞰すると同時に、個々のセルでインタラクションの詳細を記述するように設計されており、この「ズームインとズームアウト」の概念を体現したツールと言えます。このような両方の視点を可視化できるツールを用いながら、自分の視点、クライアントの視点、プロジェクトが見るべき視点がずれていないか、ズームインとズームアウトどちらの視点で考えるべきかを常に共有してプロジェクトを進めないと、意図の異なるサービスになってしまいます。

3. 源泉力と包容力

サービスデザインのプロセスの中で、アイディエーションはクリエイティブなサービスを生み出すための鍵となります。アイデアの質を高めるには、①個人のアイデアの質の向上、②チームでのアイデアの質の向上、の2つの側面があると個人的には考えています。
①の、個人のアイデアの質を高めるためには、ある視点・価値観からのアイデアに偏ってしまうのではなく(偏っていたら偏っているなと客観的に気付いて)、普段からビジネス、テクノロジー、アートなど、アンテナを広げてインプットをすることがアイデアを様々な角度から出す能力(源泉力)を高めるのに重要だと感じます。
また、通常、アイデアは自分1人でなくグループで協業して創造するものですので、②の、チームとしてのアイデアの質の向上という観点で、人のアイデアを批判するのではなく、どんなアイデアもポジティブに受け入れ、なぜそのアイデアが出たのか、面白いのかを掘り下げ、さらなるアイデアに飛躍させようというマインド(包容力)が大切だと思います。どうしても自分が出したアイデアが可愛く見えてしまいがちですが、いい意味でそれに固執せず、人のアイデアの面白い要素をどんどん取り込んで発展させよう、というフロンティアスピリット(?)のようなものが必要です。私はそれをアイデアの源泉力と包容力と呼び、アイディエーションの際に大事にしています。

以上の3つを本記事では今、サービスデザイナーとして重要だと感じるポイントとして挙げました。この他にもグラフィックデザインのスキルなど、身に付けたいと思うスキルを挙げ始めたらキリがないのですが、上に挙げたものは、サービスデザイナーの普遍的なコアスキルとして、時代や技術の変化によらず重要な要件ではないかと考えています。

(Masaki Iwabuchi)