OPEN LIVING LAB DAYS 2017 に参加しました #02

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OPEN LIVING LAB DAYS 2017 に参加しました #02


2日目はKEYNOTEから始まりました。トピックは“Open Science, Open Innovation, Living Labs; the innovation helix pillars”。 オープンイノベーションを中心テーマに、SMEsやオープンデータ、オープンサイエンスとオープンイノベーションの関係性、大学とリビングラボの関係、ニュートラルユーティリティ、そしてデータユースに関してなど、様々なプレゼンテーションがありました。

European CommissionのBror Salmelin氏のプレゼンテーションでは、Volatile(変動しやすい)、Uncertain(不確実な)、Complex(複雑な)、Ambiguous(曖昧な)の4つの頭文字をとった、“VUCATIONAL society”という言葉で社会を表し、そのなかでどうイノベーションを起こしていくか、またそうした社会におけるリビングラボの役割や立ち位置などを発表していました。「イノベーション」はバズワードだけど、「リビングラボ」は新しい社会に発展していくための「環境」になるだろうと、それを料理になぞらえて、リビングラボを鍋に見立てた図で説明していました。

 

オープンイノベーションとリビングラボ

KEYNOTEのあとはHigh Level Panel DebateとOpen Debateが行われ、それぞれプレゼンテーションとディスカッションのスタイルで進行されました。

High Level Panel Debateのテーマは“Around the Open Innovation World in 80 minutes”。3名のパネリストのうち、日本からはFuture Center Alliance Japan(以下、FCAJ)の紺野登先生が登壇し、日本の文脈におけるイノベーションの状況と、それを取り巻く環境を紹介されていました。FCAJメンバーの企業や組織が取り組んでいる場を紹介した上で、乱立しがちなフューチャーセンター、イノベーションセンター、リビングラボをそれぞれ
・フューチャーセンター=セオリーの場
・イノベーションセンター=プロトタイプの場
・リビングラボ=コクリエーションの場
として定義し、使い分けていました。また、社会や都市をつくるプロセスを日本語の「場(BA)」という概念を用いて説明されていました。

他にも、台湾のリビングラボからはBelinda Chen博士が、Fablabを活用したクイックなプロトタイピングのできるスタートアップ向けのプロジェクトをいくつか紹介されており、アジアのリビングラボにも注目が集まりました。

Open Debateでは“Multiple Helix Innovation without boundaries: Public – Private – People -Partnership”をテーマに3人のパネリストが登壇しました。なかでも私が興味をもったのは、アイントホーフェン市のWim De Kinderen氏のプレゼンテーションでした。昨年のLightingプロジェクトに続く、同市のSmart Cityプロジェクトについての発表で、市内から集めたオープンデータのポリシーが、5つの地域の市民との共創で取り決められたのだそうです。詳しいプロセスや方法に関しては言及されていなかったのですが(そこがみんな知りたいところではあるのですが……)、行政が市民と共創しながら実践しているスマートシティの事例として、今後も注目していきたいなと思いました。

 

ローカルプロジェクトのピッチプログラム

午後は、昨年と同じく、Pitches of local challenges という開催地クラクフで行われているプロジェクトのピッチがありました。トピックは、今回のテーマに合わせて“Living Lab and Policy”, “Smart mobility”, “Smart environment”, “Circular economy”, “Service design” の5つに分かれていました。

Smart mobilityのトピックでは、レポート#01の冒頭でも触れたクラクフ市内の交通問題の深刻さと取り組みに関して話されていました。車だけが解決策ではないと、幼稚園や小学校の頃から教育したり、ポーランドでは初となるレンタルバイクを導入したり、車線の大幅な改善などを行っているようです。

 

ローカルビジット:Selection Waste Collection Point

2日目の終わりは、ローカルビジットに向かいます。用意された5つの訪問先のうち、私はSelective Waste Collection Point、その名の通りゴミ収集所を見学してきました。昨年同様、リビングラボの見学かと思っていたのですが(ゴミ収集所のリビングラボって面白そう! ということでリサイクルやアップサイクルなどのプロジェクトを期待したのが選択理由でした)、今年はクラクフの様々な施設で行われているプロジェクトの見学といった感じでした。ゴミ収集所のほか、4つの訪問場所も実質的にはリビングラボではなかったようです(なかには建設途中の施設のプロジェクトプレゼンテーションを聞いて終わり、というところもあったようです)。

クラクフでは40%近くのゴミが分別収集されており、なかでもgreen wasteと呼ばれる分類では、木材や家具など二次加工することなくリサイクルできるものも収集されています。市民への取り組みとして、green wasteで集められたゴミを鳥小屋などのプロダクトに作り変えて、年に一度無料で配布したり、子供から大人まで対応した教育目的の見学ツアーも行われています。

また、この集積所は、クラクフ市内の交通管理というもうひとつの役割も担っています。街中に設置されたカメラの映像が映るモニターを見ながら、場所ごとの交通量や現在の状況を24時間管理しています。何か問題があると、ここから救急や警察などに連絡したりもするそうです。

 

(おまけ)イルミネーションツアー

2日目のプログラムとしては上記のローカルビジットで終わりなのですが、よく見ると21時からBridge illuminationというセクションが。夜にお食事をご一緒させて頂いた皆さんが行くということだったので、軽く見学に行ってきました。


↑こちらがライトアップされた橋(と謎の飾り)

ちょっと独特なセンスでしたが、渡った先でカンファレンス参加者たちの溜まり場ができており、みんな配られた飲み物を片手に午後の訪問先の話を共有しあっていました。相変わらずゆるめのオーガナイズですが、こういったラフな時間が参加者同士のつながりを深めてくれている感じがしました。

次回は3日目のワークショップについてお伝えします。
(木村恵美理)