OPEN LIVING LAB DAYS 2017 に参加しました #04

OPEN LIVING LAB DAYS 2017 に参加しました #04


最終日となる4日目も、サービスデザイントラックから、2つのワークショップに参加しました。

 

リサーチメソッドの組み立て

1つ目は、“Future of LL Research”と題されたワークショップ。オーガナイザーはimec Living LabのDimitri氏です。去年も彼のワークショップに参加しプレゼンでものすごく噛んだという苦い思い出があるのですが、確かiMindsに所属していたはず……と思って調べてみると、iMindsは昨年末にimecと合併していたようです。インターネット上の情報で把握できる限りでは、合併後はimec Living Labとして、スマートシティなどを始めとした未来のハイテクノロジーのサービス開発のR&D的な役割も担う内部研究機関になっているようです。

ワークショップの内容は、サービスデザインに関連したものというよりは、リビングラボでプロジェクトを進めていく際、どのようにリサーチプロセスやメソッドを組み立てていくかという割とアカデミックなものでした。


↑リビングラボプロジェクト運営の役割とプロセス、参加者の活動の関係性をまとめた図

imec Living Labで実際に運用されているモデルやプロセスなどを紹介し、その後興味のある分野に分かれて、実際にリサーチメソッドの組み立てをしてみます。スマートシティ、スタートアップ、ヘルスケア、サービスデザイン、LLポリシーなどいろいろな分野で、それぞれプロジェクトの例を挙げながらリサーチクエスチョン、検証方法や検証の際の変数、メソッド、ゴールなどを話し合いました。

しかし、このワークがなかなか難しかったことと、昨夜のディナーの影響か途中参加者が多く進行が滞ってしまったため、ワークは最後まで行わず、後半はリサーチメソッドの組み立ての細かい解説、分類など、どのような研究や論文が通りやすいかなどが説明されました。

 

パネルマネジメント

最後のワークショップは “Duxis: An integrated and contextualized approach for living lab practices”。サービスデザイントラックではありましたが、メインはリビングラボにおけるパネルマネジメントの話でした。オーガナイザーは引き続きimec Living Labです。プレゼンテーションとワークが織り混ざった構成だったため、理解も深まり楽しいワークショップの締めくくりとなりました。

まず、ベルギーのリビングラボを事例に、LLユーザーと共創していく上で困難なポイントをまとめたプレゼンテーションが行われました。「ユーザーを巻きこみ、モチベーションを保つ」ことに焦点を当て、そのためのチャレンジを参加者も追加で挙げていき、各問題にどのようなツールや解決策があるかを考えていきます。

様々なチャレンジとそれに対応するツールや解決案が出ましたが、ここで、imecで開発しているDUXISというパネルマネジメントのためのツールキットが紹介されました。

いくつか種類があり、今回はすでに一部運用しているPANEL KITと開発中のEXPERIENCE KITが紹介されました。PANEL KITは、リビングラボの参加者が登録し、絶えずコミュニケーションを取れる機能がついたSNSのようなもので、参加者のプロフィールやアクティビティベースのマネジメントツールになっています。

一方、開発中のEXPERIENCE KITは、登録した参加者の文脈や環境(ログインデータや位置情報などから現在何をしているかを複合的に判断)に合わせて、アクティビティや質問事項などを都度送信し参加を促すというもの。

DUXISについてのプレゼンテーションの後は、最後のワークとしてフィードバックをゲーム形式で行いました。ゲームといっても、隣の人と順番にじゃんけんをし、勝った方が先にこのキットのメリットもしくはデメリットを言い、負けた方がその反対の意見を言うもので、既に出た意見や、どちらの意見も言えなくなった人は脱落していきます。最後まで勝ち残った人には、PANEL KitKat(KitKatにペンでPANELと書かれただけですが、とても遊び心がありました)が与えられました!

 

以上のワークショップをもって、今年度のカンファレンスは終了。クロージングでは、これからもこのネットワークを強めていこうというメッセージと、来年の開催地が発表されました。2018年は、8月22-24日にジュネーブ(スイス)での開催とのことです! 去年と今年でもカンファレンスの雰囲気がだいぶ変わっていたので、来年がこれからのリビングラボの分岐点ともなりそうな予感がします。

 

↑クロージングの様子

 

(おまけ)運営メンバーとタクシーでの裏話

ワークショップの後、会場から空港に向かったのですが、朝受付で頼んでいたエアポートタクシーが来ないので……新しいタクシーを呼ぶかどうか受付のおじさんと話していたら、OLLD運営メンバーの一人(以下:運営)が、私も空港に行くから一緒に乗っていきなよ、と相乗りさせてもらえました。今年のカンファレンスはどうだった? などといろいろ雑談していたのですが、そのなかで運営側からでなければ聞けなさそうな話がいくつかあったので、こっそりお伝えします。

運営「今年のカンファレンスはどうだった? 感想を聞かせて」

私「去年と比べると、今年は大きく変わったような気がするんだけど。なんだか、リビングラボという概念自体が次のフェーズに行こうとしているというか……」

運営「そうね、それはある意味当たっているかも。ENoLLも11期になるし」

私「パネルディスカッションでもシチズンサイエンスやオープンイノベーションの話など、改めてこれからの立ち位置を示しているように感じたよ。でもディスカッションの時間があまりなかったから全体の意図が汲み取りきれなかった……」

運営「実はカンファレンス前に登壇者が夏休みに入ったりして、準備に時間が取れなかったから当日までみんな何を話すかちゃんと把握していなかったのよ。それは来年の課題になるわ」

私「なるほど、それで来年は例年より開催時期が早いのかな? そういえば初日のリサーチペーパーすごく少なかったね。今年は内容もちょっと期待外れだったんだけど」

運営「今年はとても厳しかったの。サブミットも14以下だったはず……提出時にセクションを設けたのもハードルを上げたひとつの要因かもしれないわ」

私「そうなんだ。そういえば、DAY0(ゼロ)は何をやったの? プログラムを見る限り私も参加したかったんだけど案内がなくてわからなかったよ」

運営「大きく公表しなかった理由としては、こちらとしてもどういうものになるかわからなかったからなの。限られたメンバーと一部の希望者だけエクストラで受け入れて、リビングラボを立ち上げるためのワークショップなどをやったんだけど、あの日がこのカンファレンスで一番良かった!」

私「いいなぁ、参加したかった」

運営「それなら来年も来てよね!」

私「うん、まぁ上司を説得できたらね」

運営「そういうフィードバックが私たちには必要なのよ!」

と笑顔で言いながら、彼女はそのままホリデーに旅立って行きました。

とっても長くなってしまいましたが、以上でOpen Living Lab Days 2017のレポートを終わります。今年は具体的なカンファレンスの内容というよりは、全体のアウトラインと去年を比較しながらの視点で見た私の感想やおまけが多くなってしまいましたが、少しでも新しい発見や気づきを皆さんにお届けできれば幸いです。

ACTANTでは、リビングラボの知見を生かし、プログラムなどのご相談もお受けしていますので、本ブログをお読みいただきお役に立てることがございましたら、コンタクトフォームよりお問い合わせください。
(木村恵美理)