Open Living Lab Days 2016 に参加しました #02

Open Living Lab Days 2016 に参加しました #02


2日目からが公式なカンファレンススタートということで、ENoLLの代表 Dr.Tuija氏をはじめ、カンファレンスの主宰代表者たちからスピーチが行われました。そこで、リビングラボの起源やその広がり、10周年を迎えるENoLLの仕組み、そしてカンファレンス自体も共創していこうというマインドなどについて話されました。2日目は、前半にPanel and Presentation、後半にNetworking Sprintというプログラム構成になっており、本ブログでは、 2日目前半の体験についてレポートします。


前半のパネルディスカッションでは、2つのトピックとパネルグループに分かれて行われました。

1つ目のトピック:リビングラボの現状と今後の方向性と将来への展望
まず最初のトピックでは、実践を行うリビングラボの現状と今後の方向性と将来への展望について議論されました。登壇者は、オランダ・アイントホーフェン市のプロジェクトマネージャーIrmo氏、PercolabのリサーチャーであるSamantha氏、リビングラボユーザーという立場からデザイナーのSteeven氏、そしてiMindsのディレクターであるDr.Pieter氏の4名が参加しました。上記のメンバーにモデレータから、”様々なステークホルダーに提供できる価値をどのように生み出すのか”、”ユーザーが中心となったイノベーションプロジェクトにはどのようなスキルが必要とされるのか”、また”将来リビングラボ間のコラボレーションが起こると一体どんなことが起きるのか”などの問いが投げかけられ、興味深い議論がなされました。

議論の一部をご紹介すると、リビングラボの理念の一つである”様々なステークホルダーにとっての価値を生み出す”という問いに対しては、リビングラボの主宰が誰であるかというところで大きく変わってくるだろうという議論がなされました。例えば、アイントホーフェン市のスマートシティ計画の一環であるThe future of light projectでは、都市にとっての価値はお金ではなく人々の生活の質や幸福度(quality of life)が価値であるということを前提としているが、予算の問題などからローカルビジネスとの協業がシティーイノベーションには必要不可欠になってくるという経験談が共有されました。また他にも、ユートピア的なビジョンとプログラマティックなソリューションは天秤にあることから、ステークホルダーを喚起させるためのマインドセット育成のためのリビングラボが有効になってくるだろう、という意見も聞くことができました。

最後にモデレータから聴講者にいくつか質問が投げかけられ、聴講者はYESかNOをカードで答えるというコミュニケーションもありました。「あなたの都市では都市自体がリビングラボといえますか?」という問いかけには、会場のほとんどがNOを掲げていましたが、「10年後には都市自体がリビングラボになっているでしょうか?」という問いかけには、全体の半数が、”Hopefully…”と言いながらYESを掲げていたことは、とても印象的でした。

聴講者がモデレータの問いかけに回答している会場の様子

2つ目のトピック:Art HiveとFab Labの未来
後半のパネルディスカッションでは、Art Hiveと今や世界中に広まったFab Labの思想をこの先どう展開していくかというトピックについて、モントリオールで実践されている「自分たちで作る(D.I.Y)」がベースとなったCOMMUNAUtiqueと呼ばれるコミュニティの取り組みについて語られました。

COMMUNAUtiqueは、デジタルファブリケーションを中心としながらリサーチや教育機能を持ったオープンイノベーションの場として活用されています。日曜日に無料で材料が提供され、市民がものづくりの場に参加できるイベントなど多様なレベル感の活動が実践されています。またここにあるリビングラボ的機能を持ったコミュニティベースであるfablabには、Basic Inclusion(基礎的な包含)、Mechanical Inclusion (機器の包含)、Crossing Over(交じり合わせる)という3つの頭文字を取りBMXという理念があることが紹介されました。

COMMUNAUtiqueについてのプレゼンの様子

上記トピックのディスカッション以外にも、他モントリオールの団体たちによる活動の紹介やワールドバンクでの取り組みなどのプレゼンテーションがあり、時間がぎゅっと詰まった午前のプログラムが終了しました。(本当に盛りだくさんで書ききれません…!)

本ブログは、ここまで。次回の第3回では、 2日目の後半で行われたNetworking Sprintプログラムの体験をレポートします。(木村恵美理)